- 自分の希望日に有給を使えない
- マージン差し引き後、さらに「交通費」「会社負担分の社会保険料」が差し引かれる
- SESエンジニア5年目、年収450万円
この記事では、X(旧Twitter)で取材協力いただいたエンジニア(Kさん)の体験談を紹介します。
SES業界で働くエンジニアは、「高還元率」を売りにしている会社に魅力を感じるものです。
自分で稼いだ金額の大半が手元に残るので、当然といえばその通りですよね。
しかし、SES企業の中には巧みな数字あそびで、表面だけを高還元率に見せている悪徳企業もあります。
今回はそんな会社に勤めるKさんに、実際の経験とSES業界の闇を伺いました。
ぜひ最後までチェックして、悪徳IT企業にダマサれないようにしましょう!
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質問内容
回答内容
Kさんの経歴|SESエンジニア5年目で年収450万円
まずは簡単に自己紹介をお願いします。
新卒からSESエンジニアとして働き、現在で5年目になります。
年収は残業代込みで450万円です。今の会社では希望日に有給がもらえなかったり、還元率に不満があります。
Kさんは新卒からSESエンジニアとして働いている20代です。
年収は5年目にして450万円。過去に取材したITエンジニア達と比較すると、やや低い印象です。
Kさんの会社は、月の労働時間が基準値を超えないと残業代が支給されないそうです。
みなし残業や固定残業制を採用する会社も多いですが、そのような職場は「残業前提」で仕事が組まれているので気をつけたいものです。
次の章からは、Kさんが抱えている「有給制度」「高還元率」の不満について紹介します。
SES企業の闇:①強制的に消化される有給休暇
有給の不満について詳しく聞かせてください。
現在の案件は常駐先の都合で、仕事がない日が多々あります。弊社ではそのような日は自社作業をさせてもらえず、強制的に有給で消化されてしまいます。
自分が休みたい日まで有給が残っていない可能性もあり、現状の有給体制にはかなり不満があります。
客先常駐のエンジニアは、クライアント側の休業日や業務縮小といった都合で休日が発生することがあります。
このとき多くのSES企業では、
- 自社のオフィス、もしくはテレワークで研修・他業務を行う
- 有給を使って仕事を休む
といった選択肢が与えられますが、Kさんの会社では、強制的に有給として消化されるとのこと。
特にこの「客先都合の休暇」が多いKさんは、自分が希望する日に休暇が取れないことで深く悩んでいるそうです。
希望日に有給を取得して休むことは、労働基準法で認められている会社員の権利です。会社がそれを守らない場合、違法となる可能性も考えられるでしょう。
この問題を解決するためには、会社と交渉するか、労働組合や労働局に相談するなどの対応が必要です。
SES企業の闇:②高還元率の実態「交通手当と会社負担分の社会保険料が未計上」
現在は高還元率を謳うSES企業に勤めているとのことですが、実際には手残りが少ないと聞きました。そのことについて詳しく教えてください。
弊社の還元率は70%以上を謳っており、高水準に該当します。
しかし実際には、会社負担分の社会保険料や交通手当が含まれていませんでした。手残りは思っていたよりも少ないです。
Kさんの会社は、「還元率70%」という高水準を掲げてエンジニアを集めています。
通常であれば、この還元率70%がそのままKさんの「総支給額」となります。
この総支給額から、税金や個人負担分の社会保険料といった「控除額」が差し引かれて、Kさんの最終的な『手取り月収』が確定するはずです。
計算しやすいように、Kさんの客先単価を100万円と仮定したら、
- Kさんの総支給額=70万円
(100万円 × 70%) - Kさんの労働による会社側の売上=30万円
(100万円 × 30%)
といった配分です。会社側はこの売上の30万円から『交通手当』をKさんに支給したり、『会社負担分の社会保険料』を工面する必要があります。
しかし実際には、『交通費』『会社負担分の社会保険料』はKさんの”総支給額”から引かれているとのこと。
わかりやすいように図で解説します。
入社前はこれ↓だと思って入ったのに、
実際にはこれ↓だった、、、
といったことになります。
事実とは異なる「嘘の情報」でエンジニアを集めている会社、もはや詐欺ですよね。
このような悪質SES企業の経営陣は、「詐欺師の集団」といっても過言ではないでしょう。
高還元率という言葉に翻弄されないためにも、
- 面接試験で採用担当に事実確認をする
- 社員の口コミを確認する
といった行動が必要です。
まとめ
この記事では、SES企業に5年勤務しているKさんに伺った「高還元SESの闇」を紹介しました。
悪徳SES企業に騙されないためには、
「オイシイ話には、どうせなにか裏がある」
と察し、その事実確認を怠らないことが大切ですね。
将来のキャリアを守るためにも、自分が感じ取った”違和感”をないがしろにせず、きちんと企業調査していきましょう。
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