エンジニアの仕事はAIに奪われる?IT社員と著名人の声から将来性を考える

aiにプログラミングをさせている画像
  • プログラマーやエンジニアの仕事は今後AIに奪われる?
  • AIの進化っていつまで続くの?
  • IT業界はもうオワコン?

このような疑問を持つ人に向けて、IT企業の内部ではAIが仕事を奪っているのか。有識者たちはプログラマーやエンジニアの将来性をどう見据えているのかを紹介します。

この記事の要点まとめ
  • 現時点ではエンジニア・プログラマーの仕事は奪われていない
  • むしろ仕事が増えて人手不足が加速している
  • 将来的には一部のエンジニア業務がAIに代替される

AI時代における世間の声とビジネス系インフルエンサーの意見、IT企業の実態をもとに本記事を作成しました。少しでも参考になれば幸いです。

目次 [タップして移動]

結論、ITエンジニアの仕事はAIに奪われない。(将来性も高い)

冒頭でもお伝えしたように、AI情報を冷静に整理すると

エンジニアやプログラマーの仕事はAIに奪われず、将来性も高い職業である

と言えます。その根拠となる主な理由は次の2つです。

それぞれ詳しく解説していきますね。

ポイント①過去のAIブームと2026年問題

AIが初めて登場したとされる1950年から現在まで、大きく3度のブームがありました。

しかしいずれのブームも、人間を脅かすレベルには達していないんですね。

人工知能・AIの歴史時系列画像

出典:総務省「総務省:人工知能(AI)の歴史」

さらに、現代の生成AIが参照する「学習データ」は、2026年で底をつくと言われています。つまりAIの進化がもうすぐ止まってしまうのです。

参考:AIの2026年問題とは? データの枯渇で何が起きるかを解説

本記事を執筆している2024年9月時点では、実際にAIによって仕事が奪われたニュースは目立っていません。

AIを職場に導入したい企業側のニーズはたくさんありますが、資金不足、もしくは供給側のエンジニア・プログラマー不足が原因でAIが広く浸透しないのでしょう。

AIの成長はもうすぐ限界に達しそうです。働く意欲はあるのに職が見つからない「仕事難民」が現時点で大量発生していないことから、AIが仕事を奪うのは、遠い未来になりそうです。

ポイント②高度な技術より「アイデア」がビジネスのカギになる

生成AIの進化により、エラーが少ない良質なコードが誰でも書けるようになりました。

つまりAIを有効に使えさえすれば、誰でも職人レベルの知識・スキルが手に入るのです…!

たとえば「パックマンゲームをJavaScriptで書いて」と指示を出せば、生成AIがスラスラとコーディングしてくれます。おしゃれなWebサイトのマークアップもお手のものです。

つまるところ、

  • 開発経験が豊富なベテランエンジニア
  • 基礎を押さえた2〜3年目のエンジニア

両者の「技術的な差」は、AIが使える現代において”ほぼ無い”といえます。

技術面はAIが補ってくれる。あとはビジネス的な視点・戦略といった「発想・アイデア」が、仕事の成功を担ってきそうですね。


各ポイントをまとめると、

  • 生成AIの成長は2026年付近で終了する
  • ITの需要は高まるが供給手が不足している
  • 新人エンジニアでも高品質なコードが書ける

といった要素が浮かびます。個人的には

開発の基礎を押さえた若手エンジニア・プログラマー

の将来性が飛躍的に高まっている気がしますね。AIの発展で起業・独立のハードルが下がり、キャリアの選択肢が増えています。

しかし、これは筆者の個人的な見解です。次の項目では、より広い視点でエンジニア・プログラマーの将来性をみていきましょう。

「エンジニア・プログラマーの仕事はAIに奪われる」派の主な理由

この項目では「ITエンジニアの仕事はAIに奪われる」と主張する人たちの理由を3つ紹介します。

– AIに奪われる派の意見 –
①AIが書いたコードの方が高品質

人間よりAIの方が、より早く・よりバグが少ないコードが書ける

という理由で、エンジニアやプログラマーの仕事がなくなると予想する人もいます。

今まではエンジニアやプログラマーが手作業で行っていたコードの記述や修正が、今ではAIを活用すれば迅速かつ正確にできてしまいます。

さらに「環境構築」という時間のかかる準備作業もAIは不要です。

膨大な時間を費やしてきた作業が、今ではAIであっという間に完結します。エンジニアやプログラマーの仕事が減少すると予想しても不思議ではありませんね。

– AIに奪われる派の意見 –
②テストやデバッグが自動化できる

AIがテストやデバックを自動化してくれる

といった意見も、エンジニアやプログラマーの仕事がなくなる予想につながっています。

ソフトウェア開発において、テストやデバッグは品質に直結する重要な工程です。今まではベテランエンジニアがテストケースを設定し、末端エンジニアが手作業、もしくはテスト用のプログラムを作成して品質・動作チェックしていました。

これらの作業もAIによって自動化が進んでおり、さらにはソースコードからプログラムを読み取り、バグや欠陥を事前に検知するAIも登場しています。

エンジニアの一部の業務をAIが代行できるため、「将来エンジニアは不要になる」と認識する人も一定数います。

– AIに奪われる派の意見 –
③基本設計・詳細設計の自動化

今は基本設計・詳細設計もAIが考えてくれる

といった理由でエンジニアやプログラマーの仕事が奪われると予想する人もいます。

基本設計や詳細設計はソフトウェア開発の上流工程に部類します。大手SIer企業や中堅、ベテランエンジニアが担っている仕事の1つなんですね。

そんな大仕事も、AIはサクッと終わらせます。過去の膨大なプロジェクトデータから設計パターンを学習し、最適なシステム設計を人間が考える何十倍もの速さで提案してくれます。

そんなAIの活躍ぶりから、

将来はAIがエンジニア業務の「効率化」を超え、『完全自動化』するのでは…?

こんな疑問を多くのエンジニアやプログラマーも発生しました。「仕事がなくなる」と危惧する人も意外と多いのです。

「エンジニア・プログラマーの仕事はAIに奪われない」派の主な理由

この項目では「ITエンジニアの仕事はAIに奪われない」と主張する人たちの理由を3つ紹介します。

– AIに奪われない派の意見 –
①データの枯渇でAIの成長が止まる(2026年問題)

AIの成長はもうすぐ止まる。現時点でエンジニアの仕事が奪われていないなら、この先も変わらないだろう

と予想するエンジニア・プログラマーもいます。

AIは過去の膨大なデータを学習し、今日まで進化してきました。その学習元となるデータは先述したように、2026年で底を突くことが予想されています。

新たな学習データがなれば、今以上の進化をAIに期待できません。

したがって、「AIはエンジニアやプログラマーの仕事を完全に奪う脅威にはならない」と踏む人も多いのです。

– AIに奪われない派の意見 –
②良いコードは書けるけど「良いシステム」は作れない

AIはコーディング能力は高いがビジネス視点に欠けるため、良いシステムは作れない

と主張する人も一定数います。

どんなビジネスも「世の中の動向」「市場のニーズ」に沿うことは重要ですよね。AIは高品質のコードをすばやく生成することは得意ですが、先を見据えてビジネスを展開する能力は劣ります。

AIの土台となる学習データは、全て過去のものです。「今」というリアルタイムの情報を集めたり、先を見据えたビジネスプランを計画する能力は人間に勝てないんですね。

– AIに奪われない派の意見 –
③ユーザー・クライアントの「潜在的なニーズ」に対応できない

これはシステム開発のあるあるですが、

システム開発を依頼するクライアント側が、自分たちの課題・悩みを認識できていない

といったことがあります。

クライアントの要望通りに納品したらなぜかトラブルに発展するケースも珍しくないんですね…。

これは完全にクライアント側と、仕事を請け負うIT企業間のコミュニケーション不足が問題。AIでは対応できない領域なのです。

  • クライアントはシステム開発を通じて、解決したい”真の悩み”は何か?
  • その開発プランはクライアントのニーズを解消できるか?

クライアントとの潜在的なニーズを引き出し、そのニーズを満たすプロジェクトを提案するのもITエンジニアの仕事。AIでは代替できない業務もあるのです。

プログラマー出身の経営者でインフルエンサー3名の声

この項目では、プログラマー出身で経営歴も併せ持つYouTuber3名の意見をのぞいていきます。

①ひろゆき(西村博之)の意見

2ちゃんねるの創設者ひろゆき氏は2024年3月14日のライブにて、リスナーの質問に対して次のように答えています。

Q. DevinというAIプログラマーが出ましたがエンジニアの仕事はなくなってしまうのでしょうか?

A.なくならないと思いまーす。

出典:Youtube「知らなくてもクイズを正解するパターン。CH’TI BLONDEを呑みながら 2024/03/14 J21」

回答の補足として、

  • 「AIは作業者の補助をするためのツール。」
  • 「プログラムを作ったことがない人はAIを使っても、プログラムは作れない。」

と、別のデザイン系AIツールを例に出しながら解説しています。

スキルがなければAIも活用できない。ズバズバ物申すひろゆきも「仕事はなくならない」に一票を投じていることが判明しました。

②ホリエモン(堀江貴文)の意見

続いてはホリエモンの意見。2023年3月30日に自身のYoutubeチャンネルで「レベルが低いエンジニアの仕事はなくなる」と動画内で発言しています。

僕もプログラマー だったんでわかるんですけど、一番最初の書き出しが面倒くさいんですよね。あと結局時間かかるのデバッグなんですけど、AI結構デバッグも得意なんで。
だから自分がプログラマーやってた感じで言うと「これはレベルが低いエンジニア の仕事はなくなるな」と思いました。

出典:Youtube「ホワイトカラーの9割以上の仕事はなくなります。テック業界の大規模リストラについて解説します」

IT企業では、テストやデバックの作業を末端エンジニアに任せることが多いです。僕の転職先でもプロジェクトによっては、専属でテスターを雇うケースもありました。

「業務の一部がAIに奪われる」というのがホリエモンの見解になりますね。

③両学長(リベ大)の意見

中学生時代はプログラミングを数学の授業中に学び、高校生で起業した両学長。IT企業の経営歴はおよそ20年のYouTuberです。

2019年に自身のチャンネルで「まだプログラミングはAIに代替されない」と動画内で発言しています。

「プログラミングはAIに取って代わられるか」という質問なんですけど、結論から言えばまだ心配するレベルではないですね。
AIを扱うのもプログラマーなんで「AIを扱う側」になればいいですね。もっと先に無くなっていく職種の方が多い。

出典:YouTube「第3回 学長オススメのプログラミング勉強法【稼ぐ 実践編】」

2024年現在もおすすめ副業の1つにプログラミングを紹介しています。「プログラマーはAIに代替されない」という意見は継続しているとみてよさそうです。


著名人3名の意見をまとめると、

  • AIはあくまでも補助ツール
  • 一部の業務はAIに代替される可能性大

となります。エンジニアやプログラマーの仕事はAIに奪われない。奪われたとしても一部のみと予想していることが判明しました。

IT企業のエンジニア・プログラマーは仕事奪われてる?

これまで著名人や世間の意見を紹介しましたが、実際のIT企業ではどうなのでしょうか。

僕の転職先の話をすると、

  • セキュリティ面の配慮により、AIをフル活用できていない
  • システム開発の依頼が増加し、エンジニア不足がさらに深刻になる

といった状況です。

システム開発には社内の機密情報やユーザーの個人情報など、非常に重要なデータが含まれています。一般的なAIサービスにこれらの機密情報を入力すると、外部に漏れるリスクが発生します。

そんな理由からデバッグやテストはもちろん、コーディングさえも自動化できていません。

加えてAIの登場により、非IT業界の自動化・効率化のニーズが高まっています。システム開発の依頼は増加傾向。今まで以上にエンジニア・プログラマーが不足している状況です。

おそらく、他の多くのIT企業でも同様の状況が見られるでしょう。当面はエンジニアやプログラマーの仕事がなくなることはなく、むしろ増え続けると予想できます。

まとめ|2024年時点のエンジニア・プログラマーの将来性

本記事では「エンジニアやプログラマーの仕事はAIに奪われるのか?」というテーマで、世間や著名人たちの声、IT企業の実態をみてきました。

まとめると以下の現状が見えてきます。

この記事の要点まとめ
  • 現時点ではエンジニア・プログラマーの仕事は奪われていない
  • むしろ仕事が増えて人手不足が加速している
  • 将来的には一部のエンジニア業務がAIに代替される

クライアントのニーズが急増している一方で、IT企業の内部ではAIを有効活用できず、人材不足が加速しています。

顧客の需要に応えきれない状況が続いているので、IT企業にとって非常に厳しい状況といえますね。

エンジニアやプログラマーの人材が不足しているため、引き続き未経験者にも採用のチャンスが広がりそうです。

また、大規模なシステム開発の現場では、セキュリティ面からAIの活用が難しくなっています。一方で単体のプログラムを制作する「個人開発」では、テストやデバッグ、コーディングの自動化は導入しやすくなっています。

こうした背景も重なり、エンジニアやプログラマーが独立・起業しやすい時代が到来していると言えますね。

高度なスキルをAIで補完し、末端作業も自動化できれば、若手エンジニアも活躍のチャンスが広がります。

これからはスキルや経験だけでなく、「発想・アイデア」が成功のカギを握りそうです…!

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