近年はIT技術の進化や人材不足を背景に、未経験からエンジニアに転職する人が増えています。
その働き方や年収事情に注目が集まる中、業界経験者の方からは
エンジニアに夢を見すぎている
といった厳しい声も上がっています。
確かにIT業界は魅力的な部分も多いですが、経験者が言うように、その道のりは決して楽なものではありません。
未経験者がエンジニア転職を目指す際、どのような困難・落とし穴が待ち受けているのか。
それらを回避し、転職を成功させるにはどんな準備が必要なのか。
本記事では、僕自身の転職体験や業界経験者の声をもとに、エンジニア転職の現実と失敗を避ける3つのポイントを紹介します。
“憧れ”を頭の中でぼんやり描くだけでなく、現実的な視点でエンジニア転職に望んでいきましょうね!
「エンジニアに夢見すぎ」という経験者の声
本項目では、未経験エンジニアの増加を踏まえた現役エンジニアの「辛口コメント」を4つ紹介します。
辛口コメント①「トレンドを追うだけで精一杯」
- IT業界はトレンドの移り変わりが激しい。
- 未経験者は情報を追うので精一杯になる。
このような声が業界経験者たちからよく言われます。「IT業界は大変なんだぞ」と伝えたいのでしょう。
確かにエンジニア業界では、新しい技術や便利ツールが次々と登場する特徴があります。生産性を求める企業ほど最新情報に敏感です。
僕が転職したIT企業でも、全て英語で書かれたドキュメントを翻訳し、その情報をもとに仕事を進めることがよくあります。
今稼げると言われているプログラミング技術も、数年後には淘汰されることも往々にしてあります。古参IT企業でもない限り「常に最新情報を追う」といったことは確かです。
辛口コメント②「エンジニアになったら一生勉強」
- エンジニアは一生勉強だよ?
- 年収アップには常に勉強が必要。
エンジニアとしてキャリアアップしたり、年収を上げていくためには「継続した勉強」が必要だ。という業界経験者の主張ですね。
これは確かにその通りです。先ほど説明したように生産性が求められるIT企業では、最新技術を常にキャッチアップしていく必要があります。
しかしながら、将来的に年収をアップさせたり、「今よりもキャリアを高めたい」といった場合ではエンジニアに限らず、どんな業界・職種においても勉強は必須です。
楽してお金を稼ぎ、キャリアアップが叶う世界はどこにも存在しないと思いますね。
辛口コメント③「SES企業に潰される」
- 未経験なのに”経験者”としてクライアントに派遣された
- 仕事がうまくいかずクライアントから叱責を受けた
このように未経験からSES企業に入社した人の中には、
- 上司から「エンジニア歴2年目」などと経歴を盛られ、
- 実力に見合わない仕事を任されクライアント企業に派遣される。
といったブラック労働を強要されることもあるようです。
当然仕事は上手くいくはずもなく、クライアントから詰問・叱責を受けることに繋がります。
こうしたブラックSES企業が実際に存在し、被害を受けている未経験者がいる事実は受け止める必要がありますね。
辛口コメント④「どうせ開発業務に携われない」
- 未経験から転職しても、どうせ雑用ばっかりだよ
- テスターや監視モニターではスキルは身に付かない
未経験からエンジニアに転職しても、どうせ最初は開発業務なんてできない。といった業界経験者の主張ですね。
確かに経験が浅いうちは、
- 単体テスト
- 設計書の更新
- 議事録の作成
- ドキュメント整理
といったスキルが身につかない「雑用」「下流工程」の仕事を任されることも多くなります。
しかし『会社によって異なる』というのが事実ですね。
僕の転職先では、研修を終えた後にOJT形式で「上流工程」や「開発業務」に着手できています。自社開発企業に転職した友人は、入社2ヶ月目で先輩とマンツーマンで開発業務を行っていました。
未経験者が開発経験を積めるかどうかは、入社する会社で大きく異なる事実があります。
現実はどう?先輩・同僚エンジニアの転職事例
僕の身近で起きている「未経験エンジニア」の転職事例には、先輩や同僚が成功を収めた一方、厳しい労働環境に直面した人がいます。
◯ エンジニア転職の成功例
たとえば、未経験出身の先輩エンジニア2名は、
- 3年目で外資系IT企業に転職して年収1,000万円超え
- 4年目で大手IT企業に転職して年収800万円に到達
といった大幅な年収アップを実現しています。
さらに僕の同期も3年目で年収2倍(年収600万円)の転職を実現していますね。
しかし、成功の影には必ず「失敗」もあります。
✕ エンジニア転職の失敗例
プログラミングスクールの同期の中には、
1年目はテスター業務しかさせてもらえなかった
と不満を漏らす人もいました。
さらに、別の会社から社内プロジェクトに派遣されてきた客先常駐エンジニアは、
前の現場では毎日残業続きで超ブラックだった
と打ち明けていました。
「エンジニアに夢見すぎ」という経験者の声の項目でお伝えしたように、未経験エンジニアの中には
- 開発経験が積めなくて時間が無駄になる
- ブラックIT企業で疲弊してしまう
といった”闇の部分”も確かに存在します。
エンジニア転職では「どのような環境で働くか」で妥協しないことが大切です。
次の項目では、落とし穴にハマらずに転職を成功させるためのポイントを紹介します!
【妥協NG】エンジニア転職3つの落とし穴と回避法
エンジニア転職には「成功のために避けるべき落とし穴」が3つ存在します。本項目では、その注意が必要な3つのポイントと回避法を合わせて紹介します。
回避法①客先常駐・SES企業には転職しない
辛口コメント③「SES企業に潰される」の項目でお伝えしたように、客先常駐の働き方をするSES企業では労働環境が悪化しやすくなるリスクがあります。
入社後はクライアントのオフィスに出社することになり、同じ会社の人間は共に出向を命じられた先輩上司1〜2名しかいません。未経験者が安心して働ける環境とは決して言えないのです。
加えてブラックSES企業となれば、必要以上に仕事の責任を押し付けられてしまいます。悪質な会社に入社することは、エンジニア転職の典型的な失敗パターンになります。
したがって「客先常駐・SES企業には転職しない」とはじめから決意することが重要です。未経験者が1年目から開発業務を積める企業は必ず存在しますよ。
回避法②「まずはテスター」「〇〇と兼業」と言われたら選考を辞退する
- まずはテスターからキャリアを始めましょう
- コールセンターと兼業で開発業務をしてもらいます
面談や面接時に会社側からこのような指摘・助言を受けたら、その企業への入社は必ず避けましょう。直ちに選考辞退を告げてもいいくらいです。
このような会社は「未経験者には開発経験は積ませないよ」と言っているようなものです。僕のプログラミングスクールの同期のように、1年経っても2年経ってもスキルが身につかず、年収アップが遠い夢物語になってしまいます。
さらに「エンジニア募集」という求人なのに、全く別の仕事を勧められるケースもあります。僕は実際にコールセンターの仕事を面接官に勧められました。
「まずはテスターから」「他の仕事と兼業で」と言われたら要注意です。
未経験だからといって過度に下に出る必要はありません。いつでも応募を辞退する勇気を持ちましょうね!
回避法③内定を急がない
- 今の会社を1日でも早く辞めたい。早く転職先を決めないと…
- とにかくIT企業に入ろう。業界経験さえ積めればその後はなんとかなるはずだ。
といった「焦りの気持ち」が生まれると、エンジニア転職のドツボにハマるので要注意。
- 求人をよく見ずに応募することになる
- 勤務先や労働条件をよく聞かずに入社を決めてしまう
といった行動に繋がり、意図せずブラック企業に入社してしまったり、何年も雑用しかさせてもらえないような最悪のケースに発展します。
未経験者でも1年目からエンジニアの経験が積める優良企業は確かに存在します。
実際に当時プログラミングスキルに自信がなかった僕でも、フル社内SEのIT企業に転職できました。
前職の友人も入社2ヶ月目で、先輩と一緒に開発業務に取り組める自社開発企業に入社しています。
焦らずにじっくりと転職活動を進める
このことを意識するだけでも、エンジニア転職の成功率は格段に向上していきます…!
天国と地獄の境界線は「1社目」
エンジニア転職を本気で成功させ、2年目、3年目で年収を600万円、800万円と飛躍的にアップさせたい人は、絶対に1社目で妥協しないでください。
現実はどう?先輩・同僚エンジニアの転職事例でお伝えしたように、
- 未経験からエンジニアになって年収アップを実現した人
- 年収アップは愚か、何年もスキルが身につかない人
この両者には「1社目で優良企業に入れたかどうか」といった確かな境界線が存在します。
1社目で開発経験が積めるような会社に入社できれば天国。スキルや専門性が次第に身につき、3年目以降は「転職活動で会社を選べる」といった立場になれます。
年収アップも自由な働き方も、両方が実現しやすくなるのです。
一方でブラックIT企業や雑用業務しかできない会社に入社してしまうと……言うまでもないですよね。地獄のはじまりと化してしまいます。
エンジニアは今も人材不足が深刻です。3年目で年収1,000万円を達成した先輩も、収入が2倍になった同期も、全て2023年〜2024年の話。未経験者もまだまだチャンスは多いですよ。
そのチャンスを確実に掴むためにも、
で紹介した3つの項目を全て網羅させましょうね。
タイトル通り一切妥協することなく全ての回避法を死守すれば、エンジニア転職も安全なものになりますよ!
エンジニアに夢見すぎ?未経験転職の現実まとめ
未経験出身のエンジニアが増えたことで、業界経験者たちから厳しい声が届くようになりました。
しかし、何人もの未経験者が短期間で大幅な年収アップを遂げているのも事実。「ITエンジニア」は自分が努力すれば、その分だけ報われる職業といえますね。
そんなエンジニア転職の”落とし穴”にハマらないためにも、
- 客先常駐・SES企業には入社しない
- 雑用や兼業を提案されたら選考即辞退する
- 焦って入社を決めない
この3つのルールはきちんと守りましょうね。
繰り返しになりますが、1年目から開発経験が積めるようなホワイトIT企業は確かに存在します。
焦らずに、腰を据えて転職活動に臨むことが、ホワイトIT企業に転職する第一歩になりますよ!
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