- ITパスポートは取ったほうがいい?
- 有益?どんなメリットがある?
- そもそもITパスポートって何の役に立つの?
このような疑問を持つ人に向けて、未経験からITエンジニアに転職した筆者が解説していきます。
こんにちは、あつしです!
20代後半で公務員からIT企業に転職しました。
本記事では実体験ベースで「ITパスポートのほんとうの価値」を解説していきますね!
この記事を最後まで読めば、
- 自分はITパスポートを取るべきか?
- 不要なら、他に何の勉強をするべきか?
といった「目的に沿った正しい選択」ができるようになります。ゴールまで遠回りせず、まっすぐ突き進んでいきましょうね!
【結論】ITパスポートを取得するべき人4パターン
結論からお伝えします。ITパスポートを取得するべき人は、
- 学生(高校生、大学生)
- 取得すれば給料が上がる人
- 公務員、古参企業勤めの人
- 上司に命じられた人
この4つのパターンに当てはまる人です。
それ以外の
- IT企業への転職が目的
- 年収アップ・キャリアアップを狙っている
このような人は、ITパスポートは不要です。他の資格を取得したり、専門スキルを高めたほうがあなたのゴールに近づけます。
その理由は本記事で順を追って解説していきますね。
まずは「ITパスポートを取得するべき人」から解説していきます。
ITパスポートを取得するべき人
①学生(高校生や大学生)
高校生や大学生は、ITパスポートを取得すると大きなメリットが生まれます。
そのメリットとは、大学入試・新卒の就職試験で優遇されることです。
詳しくはITパスポートを取得するメリット3選の項目でお伝えしますが、有名大学や優良企業への入学・入社が容易になると見込まれています。
ITパスポートは高校生や大学生にとって、将来の進路に好影響を与える資格なのです…!
ITパスポートを取得するべき人
②給料がアップする人
ITパスポートを取れば現職の給料が上がる人は、取得する価値があります。
その理由はITパスポートの「難易度」にあります。
この資格は国家資格の中でも比較的取得しやすく、1日2時間の勉強を2〜3ヶ月続ければ、IT初心者の人でも合格が十分に見込める資格となります。
ITパスポートの取得基準
- 合格までの学習時間は150〜200時間が目安
- 社会人の受験者は、毎年2人に1人が合格
(2023年4月〜2024年3月の合格率は53%)
2〜3ヶ月頑張って勉強して、毎月の収入が1万円でも増えたら嬉しいですよね。
楽天証券の積立かんたんシミュレーションで投資シュミレーションをしてみると、毎月1万円を20年間積み立てれば、元本は520万円まで成長します…!
(年利7%の想定)
ITパスポートを取れば1万円でも給料が上る人は、資格を取得する価値が十分あるといえますね。
ITパスポートを取得するべき人
③年功序列の公務員・古参企業に勤める人
公務員やお堅い大企業など、50代以降の人が多く勤める職場でITパスポートを持っていると、職場での評価が上がりやすくなります。
定年退職に近い人たちはIT用語なんてチンプンカンプン。あなたの「ITパスポート持ってます」のひと言で重宝され、仕事や人事面で優遇される可能性が高まります。
一方、ポンコツ上司の部下として働く人は、ITパスポートを取得することでパソコン系の仕事が増えてしまう懸念がありますね…。
ITパスポートを取得するべき人
④上司に命じられた人
もし上司からITパスポートの取得を命じられた場合は……己の時間を犠牲にして資格を取得しましょう。
というのも先ほど②給料がアップする人の項目でお伝えしたように、ITパスポートは国家資格の中でも比較的取得しやすい部類です。
約3ヶ月間、1日あたり2〜3時間の勉強で国家資格を取得し、社内評価が高まるのであれば、早めに取ってしまうのが得策かもしれません。
ゴミ資格と言われるITパスポート。その位置づけとは?
正式名称は「ITパスポート試験」。通称iパス(アイパス)と呼ばれています。
経済産業省が認定する国家資格ですが、特にIT業界を経験した人からは「ゴミ資格」と言われることがあるのです。
そんな見下した言い方をするのも”取得難易度”が関係しています。独立行政法人情報処理推進機構のITパスポート特設ページでは、ITパスポートを次のように説明しています。
iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
ITパスポートは社会人から学生まで、幅広い層を対象とした資格であることがわかります。学生でも取得できることから希少性に欠け、すでに社会人として働く人の「キャリア形成」にインパクトを与えないのです。
そんな特性から、個人のスキルや実務経験が重視されるIT業界では「ゴミ資格」と揶揄されてしまうんですね。
ITパスポートを取得する3つのメリット
業界経験者からの風当たりが強いITパスポート。しかし取得するメリットもきちんと存在します。
メリット①大学生試験で優遇される
ITパスポートを取得すると、入試で優遇される大学があります。特設ページ*によれば、2024年時点で226校もの大学が入試優遇を実施しています。
*特設ページ:これから社会人となる高校生には「IT力」が求められています
入試優遇の最新情報は「情報処理技術者試験の大学における入試優遇」より確認できます。ITパスポートは自分の子どもや身内の高校生に勧めたい資格ですね。
メリット②大手企業のエントリーシートに書ける
大手企業が新卒採用活動を行う際、ITパスポートをエントリーシートで活用できる例があります。具体的には、KDDIやオリックス生命など約20社の企業がITパスポートを評価しています。
新卒者が優遇される大手企業
- 株式会社アイネット
- SCSK株式会社
- NECネッツエスアイ株式会社
- NTTコムウェア株式会社
- 株式会社NTTデータ
- 株式会社大塚商会
- オリックス生命保険株式会社
- キヤノンマーケティングジャパン株式会社
- 共同印刷株式会社
- クボタシステム開発株式会社
- KDDI株式会社
- コネクシオ株式会社
- 埼玉県警察
- 株式会社トヨタシステムズ
- 株式会社日本総研情報サービス
- 日本電気株式会社
- パナソニック株式会社
- 株式会社日立製作所・日立グループ9社
- 株式会社PFU
- 富士通株式会社
- 三菱総研DCS株式会社
大手企業に入れたら将来は安泰。大学生がITパスポートを取得する価値は十分ありますね。
メリット③公務員試験で有利になる
ITパスポートは公務員試験でも有利になることがあります。
たとえば埼玉県警察では警察官の採用試験において、ITパスポートを持っている人を加点対象になることが特設ページで明記されています。
また、金融庁では新入職員にITパスポート試験の受験を推奨しているため、ITパスポートを持つことで採用試験での評価が高まることがわかります。
ここまで読んだ方はお気づきかもしれませんが、ITパスポートは「学生」に大きなメリットがある資格です。
次の項目では「社会人はITパスポートが不要である理由」をお伝えしますね!
転職で判明!ITパスポートは不要である理由3選
この項目では、ITパスポートが多くの人にとって不要である理由を3つ、実体験を元に紹介します。
理由①IT企業の先輩上司、誰も持っていない
IT企業に転職して判明したことは、ITパスポートを持っている社員がほとんどいなかったことです。
ITエンジニアの先輩や上司、同じプロジェクトに携わるWebデザイナーや営業職など、僕の身近でITパスポートを持つ人は一人も見つかりませんでした。
「ITパスポートの知識は持ってて当たり前」といった感覚のようです。IT用語は仕事をする中で自然と覚えていきますからね。
転職活動中も転職した後も、ITパスポートを取得する必要性は全く感じませんでした。
理由②転職活動で役に立たない
転職先には未経験出身の同期が10名いました。驚いたことは、その同期の中でITパスポートを持っている人が一人もいなかったことです。
代わりとして、全員が1つ以上のポートフォリオサイトを持っていました。
ITパスポートがなくても「ポートフォリオ」で、自分の知識やスキルを十分アピールできるのです。
転職活動していた当時は100社以上のIT企業に応募しましたが、募集条件にITパスポートを記載する会社はほとんどありませんでした。
理由③「検定」に限りなく近い資格
ITパスポートは国家資格の一つですが、ライセンス(免許)ではありません。資格を取得したからといって業務範囲が広がるわけではないんですね。
業界経験者からすると、ITパスポートは”英語検定”のようなイメージです。「この人はIT用語が通じる人だな」という認識が持たれます。
同じIT人材として認識されることはメリットかもしれませんが、一方でITパスポートを所持しても専門性は発揮できません。そのためこの資格は
- 無いより有った方がいい
- ただしインパクトは弱い
といった中途半端な国家資格となっています…。
ITパスポートを取らなくてもいい人
本記事をまとめると、「ITパスポートを取らなくてもいい人」には次の3パターンになります。
それずれ順番に解説しますね。
ITパスポートが不要な人
①IT専門職に転職したい人
ITエンジニアやWebデザイナーなどの「専門職」に転職したい人は、ITパスポートは不要です。
採用試験の合否によりインパクトを与えるのは、資格よりもポートフォリオ。ITパスポートの勉強時間をポートフォリオ制作に注げば、専門スキルをアピールでき、内定獲得に早く近づけますよ!
ITパスポートが不要な人
②自社開発IT企業・ベンチャー企業に入りたい
- クライアントワークがメインのSES企業や
- マニュアル業務がメインの古参IT企業
このような会社では「資格」が重視されやすいです。
一方で
- 有名サービスを運営する自社開発企業
- 成長途上のベンチャー企業
このような会社では、「スキル・実績」が採用の決定打になります。
自社開発企業ではクライアントワークがほとんどありません。社員の資格保有率を高めたところで、それをアピールするお客さんは一人もいないんですね。
ベンチャー企業では1日でも早く「会社の成長」「売上アップ」が求められます。資格の取得状況に関わらず『能力が高い人』が評価される世界なのです。
このように自社開発企業やベンチャー企業に入りたい人は、ITパスポートなどの資格を取得するメリットが弱くなってしまいます。
ITパスポートが不要な人
③年収アップ・キャリアアップしたい人
もしもあなたが、月1万円ほどの収入アップではなく、
- 専門性を高めて高給取りになりたい
- 役職を高めて平均年収を超えたい
といった大幅な年収アップ・キャリアアップが真の目的なら、ITパスポートよりも難易度が高い資格に挑戦するべきです。
ITパスポートは2人に1人が受かる世界。取得しても希少価値は生まれづらく、キャリアを高めたい人にとっては時間のムダとなります。
時間は有限ですから、より難しい知識のキャッチアップ、より難易度が高い資格にチャレンジすることが、あなたの「ほんとうのゴール」に辿り着く道のはずですよ!
まとめ|資格勉強より「ポートフォリオ制作」に注力しよう!
この記事ではITパスポートの必要性について、未経験からIT企業に転職した内容をもとに解説しました。
ITパスポートを取得する大きなメリットがあるのは「学生」です。社会人がIT企業に転職する際は、あまり活躍しない資格となります。
しかし、ITパスポートで基礎教養が身につくのは事実です。ITリテラシーを高めたい人や、「半分趣味。興味があるから取ってみたい!」という人はオススメですね。
「未経験からIT企業に転職したい」
「専門スキルを高めてキャリアアップしたい」
このような目的がある人は、資格勉強よりポートフォリオ制作に注力するのがおすすめですよ。
IT業界では、学歴や年齢より「実力」「能力」が評価されやすいです。
ポートフォリオをガンガン作って、自分のスキルをアピールする
この行動が、優良IT企業から内定をもらう近道となりますよ!
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