【実体験】IT派遣はやばいと言われるほんとうの理由。対処法3つ

  • IT派遣を考えているけどやめた方がいい?
  • ヤバい、ブラックって聞くけどホント?
  • 実際にIT派遣として働いたエンジニアの声が聞きたい。

このような人に向けて、本記事では現役派遣エンジニアの体験談をもとに、

これら、「IT派遣のヤバい実例」「キャリアを成功させるポイント」を解説していきます。

あつし

こんにちは、あつしです!普段SNSで現役エンジニア達に取材し、体験談を共有する活動を行っています。

IT派遣でのキャリアを考えた時は、不安が尽きませんよね。思いつきで業界に飛び込んでしまえば、低賃金で安く買い叩かれる”ブラック労働”にもなりかねません。
一方で未経験からIT派遣として、年収500万円〜600万円を達成している人もいる事実。

本記事で失敗パターンと成功者の実例をチェックして、ぜひ失敗しないためのノウハウを知ってください。今後のITキャリアがより安全なものになりますよ!

目次 [タップして移動]

IT業界における働き方3つの種類

IT業界の働き方の種類3選

IT業界が未経験の人に向けて、本項目では「IT業界における働き方の種類」を解説します。

今すぐ本題が知りたい人は、「IT派遣はやばい」と言われる本当の理由をチェックしてください!

IT業界での働き方は大きく分けて「自社開発」「受託開発」「SES・派遣」の3種類があります。

それぞれの働き方には異なる特徴がありますが、特に「SES・派遣」の働き方がヤバい、ブラックと主張する口コミが多いですね。

①自社開発企業の働き方

自社開発企業の働き方・仕事内容

「自社開発」は自社のサービスやシステムを立ち上げたり、作り上げていく仕事をします。

ここでは、チーム内で新しい機能やシステムの開発に取り組み、製品やサービスをゼロから作り上げます。達成感や”やりがい”を感じられると言われることが多いです。

具体的な働き方は、自社のオフィスに出社するか、テレワークで働くかになります。

②受託開発・SIerの働き方

受託開発企業の働き方・仕事内容

「受託開発」は取引先から依頼を受けて、システムやアプリを開発する仕事内容です。SIer(システムインテグレーター:System Integrator)とも言われていますね。

自社開発企業との大きな違いは、”取引先”がいる点です。特に非IT企業のクライアントに対して、DX化に貢献したり、スマホアプリやC向けサービスを開発をするケースが多いです。

受託開発企業の中には、1社だけで上流工程から下流工程を担当する「独立系SIer」と、「上流工程のみ・下流のみを担当する企業」があります。

SIerの種類
  • 独立系SIer:
    自社でクライアントのヒアリングから開発・テストまでを担当。
  • 大手SIer:
    クライアントのヒアリングや基本設計といった「上流工程」がメイン業務。
  • 下請けSIer:
    大手SIerの下請け。コーディングやテストのみの「下流工程」がメイン業務。

具体的な働き方は「社内SE」が基本です。自社のオフィスに出勤したり、テレワークをするケースですね。

③SES・派遣の働き方

IT派遣・SES企業の働き方・仕事内容

最後は「SES(システムエンジニアリングサービス)」や「IT派遣」です。

自社オフィスで働くのではなく、契約先のクライアントに出向し、その企業のオフィスで勤務する働き方がSES・IT派遣になります。
一般的には「客先常駐」と言われる働き方ですね。業務委託のフリーランスエンジニアも、この働き方に分類されます。

エンジニアを客先に派遣する「IT派遣」がヤバい、ブラックと言われる背景には、日本独自の働き方・課題があります。

次の項目では、IT派遣がブラックと言われる背景について具体的に解説していきます。

IT派遣は未経験者の受け皿となっている(業界構造)

IT派遣がヤバい、ブラックだと言われている背景には、

社員のクビを簡単に切れない

といった日本独自の雇用形態にあります。

IT未経験者や微経験エンジニアは、派遣色が強い「SES企業」に採用されやすく、実際にエンジニア求人の多くがSES企業から提供されています。

日本にはエンジニアが100万人以上いるとされていますが、そのうち約7割がSESや派遣で働いています。「日本のIT業界はSES・派遣エンジニアで支えられている」といっても過言ではないんですね。

SES・派遣エンジニアの割合・人口比

これほどSES・派遣エンジニアが多い理由は、社員をクビにしづらいという日本独自の影響が強いからです。

事業会社がエンジニアを正社員として採用すると、開発案件が終わった後でも給与の支払いが続き、企業にとっては金銭的な負担が増加します。

そのため、各企業はエンジニアを直接雇用するのではなく、必要な時だけ外部から派遣してもらい、必要がなくなれば調整して人員を減らす運用が一般的となりました。

このような背景から、どれだけ「IT派遣はブラックだ」と口コミで広がっても、この働き方はなくならないのが現状です。

あつし

次の項目から「IT派遣(SES)はブラック」と言われる具体的な理由を、現役エンジニアの体験談と合わせて紹介していきます。

「IT派遣はやばい」と言われる本当の理由

IT派遣に従事した経験があるエンジニアの多くから、「ブラックな働き方だった」「給料が低すぎる」といったネガティブな意見が多く聞かれます。

ここでは、実際にIT派遣で働いたエンジニアたちの体験談をもとに、IT派遣が「やばい」と言われる具体的な理由について解説します。

理由① エンジニアとしての経験が積めない

IT派遣が「やばい」と言われる一番の原因は、エンジニアの実務経験が全く積めないケースがあるからです。
ITエンジニアとして採用されたはずなのに、エンジニアリング業務は愚か、パソコンに触れることさえ叶わないIT派遣社員も少なくありません。

たとえば未経験からSES企業に転職した人は、入社後にウォーターサーバー案件を紹介されたり、安全帯を付けて鉄塔に登る作業員を任されたケースがあります。

さらに他のエンジニアは、スマホ業界に派遣され、1年間コールセンター業務に従事したと言っていました。

ITエンジニアは、今も昔も人材不足。「派遣色が強いSES企業は未経験者の受け皿になっている」と先ほどの項目でお伝えしましたが、

  • 未経験者を非IT業界に派遣させ、会社の利益に貢献させながら、
  • 業務のスキマ時間でエンジニアの研修に励んでもらう。

このような取り組みで、未経験者を育成するケースが多いんですね。
研修と非IT案件を両立できなければ、エンジニアとしてデビューすることが叶わないのです。

もちろんですが、未経験者を先輩や上司と一緒に開発案件にアサインさせるSES・IT派遣企業も中にはあります。

*参考記事

派遣エンジニアとなって、開発経験が全く積めない”ハズレくじ”を引いてしまうと、非IT業界を一生たらい回しにされる可能性があるのです…

理由② ITスキルが身につかない

IT派遣が「やばい」と言われる2つ目の理由は、ITの専門スキルが備わりづらい働き方だからです。

たとえばIT企業の技術派遣部門に所属しているMさんは、最大で半年の待機期間があったと話します。

IT派遣になれば必ず「待機期間」が発生し、この期間はITの実務経験を備えることができません。

Mさんいわく、他の社員は1年もの待機期間を経験したとのこと。

プロジェクトの開発が終了したり、契約が満期を迎えれば「待機期間」に突入します。
この待機期間が長くなればなるほど、年収アップ・キャリアアップに大きなブレーキがかかってしまうのです。

専門性が高いエンジニアなら、次の案件選びに困らないでしょう。しかし微経験・未経験エンジニアは、スキル不足で待機期間が長くなる可能性が考えられます。

理由③ 給料が安い(伸びにくい)

IT派遣が「やばい」と言われる3つ目の理由は、低年収になりやすいからです。

特に未経験でIT派遣を始めた場合、駆け出し時期は年収200万円台で頭打ちになることが多いです。

中には待機期間中、給料を支払わない会社も存在します。

*参考記事

  • そもそもで給料が支払わない月もあり、低年収になりやすい
  • 残業代も満額支払われず、福利厚生も手薄になりやすい
  • スキルが実務経験が備わりづらく、年収で伸び悩む

IT派遣はこのような「収入面の不安」が比較的多くなるため、ヤバい、ブラックだという口コミが目立っています。

あつし

もちろん、IT派遣で年収アップを達成する人もいますので、後ほど詳しく紹介しますね!

理由④ 客先次第でブラックになる

IT派遣が「やばい」と言われる4つ目の理由は、常駐先のクライアント次第でブラック労働になるからです。

たとえば、7年目電気系エンジニアは前職時代、派遣先が倒産危機に陥った際には急遽「非エンジニア業務」まで任され、過酷な労働環境に置かれたことがあるそうです。

実際の取材内容

IT派遣でブラック労働をやらされた7年目電気系エンジニア(偽装請負)
30代7年目電気系エンジニアの取材内容

このようにIT派遣の労働環境は、常駐先のクライアントに100%委ねられます。

一度ホワイトな職場に参画できたとしても、満期を迎えたら、また”案件ガチャ”を引かなければなりません。IT派遣の大きなデメリットといえるでしょう。

自社開発や受託開発のエンジニアと比べると、IT派遣は「労働環境が悪化するリスク」が常に付きまとうのです。

理由⑤ 福利厚生が手薄(資格費用が自己負担)

IT派遣が「やばい」と言われる5つ目の理由は、福利厚生面です。

非正規雇用のIT派遣になれば、福利厚生やボーナスがほとんど出ないケースが多くなります。

実際に官公庁へ派遣されているインフラエンジニアに話を聞くと、「資格の取得費用が全て実費になる」と言っていました。

インフラエンジニアにとってベンダー資格の取得は重要で、一定スキルの証明になります。

しかし、1回の受験にかかる費用は1〜5万円とかなり高額です。「資格の自己負担額がヤバい」と嘆いたり、受験を渋ってしまうエンジニアも少なくありません。

「受験費用の補助金」「合格祝い金」がある会社と比較すると、福利厚生の有無でキャリアアップにハードルを感じやすいIT派遣は、ハンデを背負っているといえます。

未経験からIT派遣で「やばくない」人のケース

先ほどはIT派遣のブラックな事例について解説しましたが、すべての派遣エンジニアが低賃金やブラック労働を経験しているわけではありません。

この項目では、IT派遣の働き方に満足し、年収アップを実現しているエンジニアの実例を3つご紹介します。

ケース①:「3年目で年収500万円」の客先常駐エンジニア

はじめに紹介するIT派遣の成功事例は、未経験からSES企業に転職し、初年度から年収450万円を達成した客先常駐エンジニアです。

この方はIT派遣・SES企業に転職する前、プログラミングスクールでおよそ1000時間の学習を積み、さらには個人開発にも取り組んで、確かなスキルを持って入社しました。

3年目の現在は年収500万円。1年目と2年目は年収450万円だったと話します。

未経験だとしても、即戦力として活躍できるスキルを有していれば、「年収200万円」「非IT業務に従事」といったヤバい事例を防ぐことが可能です。

ケース②:「非正規社員で年収600万円」を達成した派遣エンジニア

2つ目に紹介するIT派遣の成功事例は、未経験から派遣社員としてインフラエンジニアに転身し、さらにクラウド系のAWSエンジニアに転向したエンジニアです。

「派遣社員」という働き方を一貫させ、現在は年収600万円を達成しています。

具体的な年収アップ・キャリアアップ方法は次のとおりです。自費で資格を取得し、スキルシートや面談に工夫を重ねて、高待遇案件を達成したと話していました。

【派遣インフラエンジニアのキャリアアップ例】

  • オンプレ系インフラ資格を取得
  • IT派遣としてオンプレ運用の実務経験を積む
  • AWS資格を取得する
  • IT派遣としてAWS構築・運用の実務経験を積む

エンジニアとして一定のスキルをアピールできれば、未経験からでも実務経験を積むチャンスがあります。

案件を選べるIT派遣は、年収アップ・キャリアアップにつながりやすいケースですね!

ケース③:「手厚い福利厚生」を受けるゆるふわ派遣エンジニア

3つ目に紹介するIT派遣の成功事例は、IT企業の正社員として、技術派遣事業部に所属するエンジニアです。

  • 残業代は1分単位で支給
  • 待機中も給料は満額で支給
  • 資格補助、家賃補助の福利厚生付き

このような手厚い待遇を受けながら、派遣社員として外資系コンサル企業で働いています。

社員のスキルアップを会社がサポートし、待機中も安心して実習が積めるようにと、給料は満額支給してくれる点は間違いなくホワイト企業。

さらには全国に派遣先があり、プライベートの変化に応じて勤務地を変更できるなど、柔軟は働き方も確保されているようです。

このように「正社員のIT派遣」では、ホワイトな働き方も可能で、すべてがブラックというわけではありません。

IT派遣で失敗しないための3つの対策

これまでに紹介したように、IT派遣として年収200万円台で停滞する場合もあれば、年収500万円や600万円に到達するケースもあり、働き方次第で明暗が分かれてきます。

そこで最後に、IT派遣のヤバい事例・ホワイトな事例を踏まえた「IT派遣で失敗しないための3つの対策」をご紹介します。

あつし

100%成功する方法はこの世に存在しませんが、絶対に失敗してしまう「必敗法」なら存在します。
失敗しないための対策をチェックすれば、キャリアの成功率は大幅にアップしますよ!

対策①:半年〜1年分の生活費を確保する

IT派遣は契約が終了すると「待機期間」が発生します。派遣切れとなれば減給・無給になるのは大きなリスクです。

「日常生活」が安定しなければ、キャリアうんぬんの話ができなくなってしまいますよね。

なので、まずIT派遣として働くなら、

半年〜1年分の生活費を確保する

という対策が必要になります。

この貯金があることで収入面の不安が減り、腰を据えてスキルアップ・キャリアアップを狙うことができます。

あつし

精神的に不安定だと、学習効率はどうしても下がってしまいますからね。
「まずは生活の土台を整える」ということが、IT派遣でキャリアアップするための第一歩になりますよ!

対策②:正社員としての派遣を選ぶ

正社員でIT派遣を選ぶと、福利厚生や資格補助が充実し、安心してスキルアップや資格取得に専念できます。

したがって非正規社員として働いている人、もしくは今後働く予定の人は、

派遣元に「正社員雇用」を希望している旨を伝える

この戦略ががおすすめです。

さまざまな企業や案件に携われることが、IT派遣のメリット。ホワイトな職場に出会ったら、正社員の座を積極的に狙いたいところです。

もしもホワイト企業に入社できれば、ITエンジニアとして年収アップ・キャリアアップが確実なものになりますよ!

対策③:妥協せずスキルアップに注力する

未経験からIT派遣で「やばくない」人のケース」の項目でみてきたように、高待遇のIT派遣エンジニアは、

「スキルアップ」を徹底している

という共通点がありました。

たとえば、IT派遣で年収600万円と達成したインフラエンジニアは、資格取得を積極的に行い、その成果をスキルシートに反映させて高単価案件を獲得しています。

さらに3年目で年収500万円の客先常駐エンジニアも、営業時代から1,000時間以上のプログラミング学習を積み、さらに個人開発にも取り組んでスキルを磨いていました。

「たとえ未経験だとしても、スキルアップに妥協せず取り組めば”高待遇オファー”が受けられる」というなによりの証拠。

実力主義のエンジニア業界で年収200万円で停滞するか、もしくは500万円〜600万円と伸びていくのかは、自分の努力・頑張り次第といえますね!

年収アップ達成のプログラミングスクールはこちらの記事で紹介!

まとめ

この記事では、IT派遣のやばい事例とその対策を紹介しました。

IT派遣には「ブラック」と言われる厳しい側面もありますが、一方でスキルアップ・キャリアアップのチャンスも確かに存在する働き方になります。

エンジニアは今も人材不足です。確かなプログラミングスキルを身につければ、たとえ未経験からでも、3年目で年収500万円〜600万円を再現性高く目指せます。

エンジニア業界は学歴なんて一切関係なく、専門学校を卒業しなければ受験できない高度資格も不要。未経験から「年収」と「キャリア」を大きく伸ばせる唯一の職種といえますね。

そんなエンジニアのキャリアを「IT派遣」で成功させるためには、IT派遣で失敗しないための3つの対策で紹介したポイントが全てです。

あつし

腰を据えて着実にスキルアップすることが、エンジニアキャリアにおけるたった1つの正攻法になりますね!

このページで初回した記事

IT派遣のヤバいケース

IT派遣のヤバくないケース

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